痛みの少ない治療
効率のよい治療計画が、痛みの少ない短期間での治療の近道
矯正治療においてよく勘違いされがちなこととして「強い力で歯を押せば早く動く」また「弱い力だと痛みが少ない代わりに治療に時間がかかる」と思われる方がしばしばいらっしゃいます。
実際の矯正治療において「少ない痛みで短期間」の治療を達成することは、いかに体に負担をかけずに効率よく歯を動かすかによって決まります。
<効率のよい治療のためのポイント>
・エビデンスを基に、細かく弱い力で歯を動かすこと
・それを実現するために治療計画を正確に立て、正しいステップで治療を行うこと
なぜ弱い力で歯が早く動くのか
矯正治療を行うにはしっかりとした経験が必要で、エビデンスに基づいて治療計画を立てなければなりません。
歯を動かすためにある一定方向に力をかけるわけですが、その際に「破骨細胞」という歯の周りの骨を溶かす細胞と、「骨芽細胞」という新しく骨を作り出す細胞が活躍します。そのような代謝のためには「血液の流れ」が必要です。強いプレッシャー(押す力)を歯に与えると、周りの毛細血管が潰れてしまい、血流が阻害されてしまいます。そのため「破骨細胞」が適切な量生成されずに、歯が動くのが遅くなってしまうわけです。
歯の移動に適した「最適矯正力」というものがあり、常に適切な力をかけ続けることで体にとって一番効率のよい、負担の少ない治療を行うことができます。そのためには正しい知識を持った上で、ロジックに基づいた治療計画を立てる技術が必要なのです。
治療計画はできるだけ細かく正確に
適切な治療計画を立てるために、矯正治療においては特に正確な診断を行うことが大事です。顎や歯の大きさ、形は一人ひとり個性があります。現状の患者様のお口の中の状態をよく調べ、その方に最適な治療計画を立てていく必要があるのです。
診断に基づき治療の進行方法をプランニングし、少しずつゴールに向かって調整していきます。
このときに、決して焦らず、できるだけ細かい段階を踏んで歯に力をかけ、歯列全体を動かしていくことが重要です。治療ステップが細かく正確であるほど、痛みなくスムーズに歯を動かせるのです。
やさしいチカラで治療中の痛みを減らす
矯正治療は装置を使って歯を動かしていく治療方法ですから、治療中は歯の根っこなどに独特の痛みが伴う場合があります。
そこで当院の治療では、矯正中の歯の痛みをできるだけ軽減。
「やさしいチカラで歯を動かす」をモットーに、痛みの少ない治療を行っております。
たとえば、歯を引っ張るワイヤーはできるだけやわらかい「ニッケルチタンワイヤー」と呼ばれる素材を使用。また、ワイヤーを「ヒートベンダー」という特殊な装置によって変形させ、余分なチカラが加わらないワイヤーに処理しています。
痛みが少ないので、患者様は無理なく矯正を続けていけます。また、お子さんも矯正歯科治療を嫌がらないので、スムーズに治療を進めることもできます。もし、あなたが痛みに不安を感じているなら、ぜひ当院までご相談ください。
効率のよい治療を行うための装置
◆セルフライゲーションブラケット
従来の矯正装置は、ワイヤーとブラケットをきつく固定し、強い力で歯を動かしていました。しかし、これでは歯が動きにくいうえ、痛みが出るといった問題が発生していました。
そこで考えられたのが、「セルフライゲーションブラケット」という矯正装置です。これは歯をスムーズに動かせる設計されており、キツイ締め付けもありません。また、やさしいチカラで歯を動かすことができるので、矯正中の痛みからも解放されます。